先天性小児マヒ被害者に高額示談|遷延性意識障害|弁護士
中部地方 示談
■遷延性意識障害(判例023)
■後遺障害等級:1級 確定年:2011年
■中部地方 示談
被害者の状況
①50歳・男性(自営業手伝い)
② 横断歩道を横断中、乗用車に轢かれる
③ 脳外傷及び心肺停止後蘇生による無酸素脳症など 遷延性意識障害 1級 (加重 脳性小児マヒ12級)
本件は、脳性マヒの既往症のある被害者であり、この点の評価が一番の問題となった事案である。
認められた主な損害費目
損害額(単位:万円) |
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将来介護料 |
約6,380万円 |
逸失利益 |
約1,510万円 |
介護用品費 |
約750万円 |
傷害慰謝料 |
約440万円 |
後遺障害慰謝料 |
約3,100万円 |
近親者慰謝料 |
約300万円 |
その他 |
約1,820万円 |
損害額 |
約1億4,300万円 |
既払控除(任意) |
-約1,100万円 |
既払控除(自賠責) |
-約3,700万円 |
※調整金 |
約1,500万円 |
最終金額 |
約1億1,000万円 |
※弁護士費用及び遅延損害金相当額
詳細
加害者の主張
①被害者は横断歩道上で立ち止まった事実があるため、重過失あり。
②先天性の障害を持つ被害者の逸失利益は、「既往症の減額」行うべき。
示談の内容
①過失については、本件の事故状況から、被害者に過失が問われる可能性があったが、当事務所はこれをゼロにすることに成功。
②先天性の障害を持つ交通事故被害者の労働能力が、どのように評価されるかということが大きな争点となった。つまり、事故による労働能力喪失率を100%見るべきかどうかという議論である。被害者は後見人である兄夫婦の自営業を手伝い、200万円弱の年収を得ていたが、当事務所はこれまでの経験から、カルテ等を分析し医師の意見を得て「既往症の減額」という争点を10%に抑えることができ、短い期間で示談を成立させた。
③結果的に、自賠責1級(加重12級)で 3,700万円を先行取得。さらに当事務所が長年にわたって蓄積した交渉力で、施設介護にもかかわらず将来介護料としては高額の日額1万2,000円、後遺症慰謝料3,100万円など、示談でありながら総額約1億5,000万円の高額示談を成立させることができた。
④訴訟では、カルテ分析で時間のかかるところ、事務所の過去の実績をベースに高額示談となったケースである。
当事務所のコメント
①事故に遭う前から重度障害を持つ被害者の場合、民事訴訟においてはその障害による減額が大きな争点になるが、本件の場合は、「示談」でありながら総額1億5,000万円という高額賠償を勝ち取ることができた。この背景には、日ごろから当事務所が訴訟において、意義のある賠償を多数勝ち取っており、その実績が認められた結果といえる。
②家業が多忙で、介護の時間を十分にとることのできないご家族からは、今回の結果について大変喜んでいただくことができた。