余命7年を控訴して22年|遷延性意識障害|交通事故 弁護士
東京高裁 【一審】横浜地裁
■遷延性意識障害(判例002)
■後遺障害等級:1級 確定年:2002年
裁判所が認定した将来介護料
一審 約1,300万円(余命7年分)
二審 約5,800万円(余命22年分)
弁護士交代
■東京高裁 【一審】横浜地裁
裁判所が認定した将来介護料
一審 約1,300万円(余命7年分)
二審 約5,800万円(余命22年分)
弁護士交代
被害者の状況
①57歳・女性
② 自転車で交差点横断中、普通貨物車と衝突
③ 遷延性意識障害1級
認められた主な損害費目
一審 | 二審 | |
将来介護料 | 約1,300万円 | 約5,800万円 |
逸失利益 | 約1,600万円 | 約3,400万円 |
慰謝料 | 約2,700万円 | 約3,600万円 |
将来雑費 | 0円 | 約440万円 |
その他 | 約700万円 | 約960万円 |
計 | 約6,300万円 | 約1億4,200万円 |
過失相殺 | ▲80% | ▲70% |
判決額 | 約1,300万円 | 約4,300万円 |
(過失相殺40%控除後約1億100万円)
詳細
加害者の主張
①加害者側の損保会社は被害女性の平均余命までの期間の半分以下で賠償金を算出するべきだと主張。一審の裁判官も余命は7年と判断した。
②将来介護料についても低額で足りると主張(一審では日額6,000円という低額で算出された)。
③過失についても、一審では被害者側80%とされていた。
裁判所の判断
①一審における敗北は、原告側の主張の甘さと立証不足が招いた結果でもあった。そこで被害者の家族はすぐに弁護士を交代することを決断し、当事務所に相談された。
②事務所は57歳の被害者の余命を22年として、近親者付き添い料は8,000円で積算。さらに、将来は自宅介護に切り替える予定があるため、妻が67歳以降は職業介護料日額1万6,000円を請求した。
③当方が将来介護料につき十分な立証した結果、二審では、「少なくとも日額1万2,000円の介護料が必要である」と認められ、余命も一審の7年から22年に引き上げられたため、将来介護料だけでいっきに4,500万円アップした。
④また、一審では請求されていなかった紙おむつ代などの将来雑費も、二審では請求をなし、その結果二審では月額2万5,000円、合計440万円が認められた。
⑤逸失利益については、一審の年収×11年間から、二審では主婦の主張をしっかりした結果、全年齢女子平均賃金×14年間が認められた。
⑥過失についても、被害者のために十分争った結果、80%から70%に落とすことができた。
当事務所のコメント
①遷延性意識障碍者の余命に関しては、損保の理不尽な主張に屈せず、平均余命までしっかりと主張することが大切である。
②将来雑費なども必要なものをこまかく拾い出して請求することで、大きな金額になる。請求しなければ認められるはずはなく、二審から交通事故訴訟に精通した当事務所に依頼されたことで一審の1,300万円が4,300万円までのアップにつながり、依頼者には大変喜ばれた事例である。