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女性醜状8級。高額な逸失利益と慰謝料獲得|交通事故 弁護士

千葉地裁管内 (判決)

■上下肢切断・機能障害他(判例006)
■後遺障害等級:9級
併合8級 確定年:2009年
■千葉地裁管内 (判決)

被害者の状況

①高校1年・女性(高校生)
併合8級 背中の筋肉をほぼ剥ぎ取られたという大きな障害
② 刑事事件で加害者は殺人未遂ということで、交通事故では珍しく重い罪となった事案。
③ 被害者は大けがの治療を続けながらも努力して3年間の高校生活を終え、大学に進学

認められた主な損害費目

逸失利益 約3,400万円
付添看護料 約300万円
傷害慰謝料 約500万円
後遺障害慰謝料 約1, 000万円
その他 約800万円
損害額
約6,000万円
弁護士費用 約400万円
遅延損害金※ 約300万円
総計
約6,700万円
既払控除 ▲約1,600万円
最終金額 約5,100万円

※確定遅延損金及び遅滞利息(11ヶ月)の合計概算額

詳細

本件の問題点

①犯人は任意保険に未加入だったため、被害者の父親の車にかけていた無保険車傷害保険に請求することを前提に提訴。

②被害者は高校1年生であったことから、逸失利益の基礎収入をどうみるかが大きな争点に。当事務所は、女性の平均賃金ではなく、男子の大卒(676万円)と女子の大卒(440万円)の中間値である558万円を基礎収入にすべきだと主張。

③無保険車傷害保険の遅延損害金の利率は、民法の5%を使うべきか、商法の6%を使うべきかについても議論された。

裁判所の判断

①逸失利益について

裁判官は原告の主張を全面的に受け入れた上で逸失利益を算出。大変画期的な判断。

②慰謝料について

事故状況が殺人未遂と悪質なことや加害者の対応が極めて悪かったことなどから、後遺障害慰謝料に関しては併合8級のところ、7級相当の1,000万円を、また傷害慰謝料も500万円と極めて高額が認められた。

③遅延損害金について

遅延損害金の利率は、原告の主張どおり6%が認められた。

当事務所のコメント

①立証のポイント

加害者の行為が悪質な場合は、被害者の苦痛をしっかりと主張することで、逸失利益や慰謝料の増額につなげることができる。

②損害賠償について

本件の被害者は併合8級の障害だったが、同年代の女性が死亡した場合とほぼ同額の6,000万円を超える高額(自賠責と合算)が認められた。

③慰謝料について

被害者の負った心身の痛手には100%応えることはできなかったかもしれないが、慰謝料も極めて大きな1,500万円が認められ多少なりとも慰謝できたのではないかと考えている。