自転車事故で高次脳機能障害の高齢女性|交通事故 弁護士
東京地裁(和解)
■高次脳機能障害(判例080)
■後遺障害等級:2級 確定年:2011年
■東京地裁(和解)
被害者の状況
①72歳・女性(パート)
② 原告が路側帯を歩行中、新聞配達業務中の被告自転車が衝突
③ 脳挫傷による高次脳機能障害2級相当
④ 被害者は脳に重い障害を負ったものの、加害者が自転車だったため自賠責保険がなく、後遺障害等級の認定を受けることができず困っておられた。
認められた主な損害費目
逸失利益 |
約1,680万円 |
---|---|
介護付添費 |
約1,350万円 |
慰謝料 |
約2,730万円 |
その他 |
約540万円 |
損害額 |
約6,300万円 |
過失5%控除後損害額 |
約5,980万円 |
損害填補 |
-約70万円 |
※調整金 |
約1,090万円 |
最終金額 |
約7,000万円 |
※弁護士費用及び遅延損害金相当額
詳細
裁判所の判断
①被害者は当初、相手が自転車なので損害賠償を受けることができないのではないかと悩んでおられたが、この加害者は幸い1億円を上限とする「賠償責任保険」に加入していた。そこで、医学的な知識と専門医とのネットワークを合わせ持つ当事務所は脳障害に詳しい協力医を探して紹介し、診断書作成までをフォロー。被害者には自賠責であれば2級相当の高次脳機能障害があることを緻密に立証し、裁判所に認めさせることができた。
②将来介護料については家族の陳述等で日額3,500円が認められたほか、調整金も約1000万円付加することができ、7,000万円という、72歳の女性としては極めて高額な賠償額を勝ち取ることができた。
③同年代の女性が死亡した場合は3,800万円の賠償が平均ということもあり、加害者も自己破産することなく高額な賠償請求に応じることができたので、依頼者には大変ご満足いただける結果となった。
当事務所のコメント
①自転車事故でも、相手の保険の加入状況をしっかりと調べることで救済の道が開けることもある。本件では当方の調査で相手に保険があることが判明した。早々にあきらめず、相手の保険加入状況を調べ、早めに賠償知識に精通した弁護士に相談するべきである。
②自転車に乗る機会のある人は、逆に、自分自身や家族がこうした事故の加害者になるリスクがあることをよく認識したうえで、賠償責任保険に加入しておくことをお勧めしたい。
③自賠責保険のない自転車事故の場合、後遺障害等級認定の困難さがつきまとうが、等級の検討に手間取っている場合は、当方で必要な医師を紹介できるので早めにセカンドオピニオンを求めて対応することが大切である。