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高次脳機能障害被害者の重篤さと介護の大変さを立証|交通事故

名古屋地裁管内 (和解)

■高次脳機能障害(判例067)
■後遺障害等級:1級 確定年:2010年
■名古屋地裁管内 (和解)

被害者の状況

①15歳・女性(中学生)
② 自転車で交差点を横断中、右方から優先道路を走行してきた車と衝突
③ 脳挫傷による高次脳機能障害1級
④ 被害者は高次脳機能障害を負い、ほぼ寝たきりの状態。てんかん発作もあり、かなり重症で、生活のすべてにおいて全面的な介護が必要だったが、母親が仕事を持っていたため、職業介護人の手を借りるしかなかった。

認められた主な損害費目

将来介護用

約1億4,700万円

逸失利益

約6,200万円

介護器具費

約400万円

介護雑費

約1,000万円

介護車両

約500万円

介護住宅

約2,500万円

傷害慰謝料

約370万円

後遺障害慰謝料

約2,800万円

その他

約1,530万円

損害額

約3億万円

過失50%控除後損害額

約1億5,000万円

調整金※

約2,250万円

総計

約1億7,250万円

既払控除(任意)

-約550万円

既払控除(自賠責)

-約4,000万円

最終金額

約1億2,700万円

 

 

被害者の人身傷害保険

約6,000万円

合計額

約1億8,700万円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

①将来介護料は、付き添い費として日額6,500円が妥当である。

②住宅改造費は1,000万円が妥当である。

裁判所の判断

①将来介護料について当事務所は、後遺障害の重篤さと介護の大変さをしっかりと立証し、平日は日額3万円、土・日は母親が介護に当たるので1万円を認めるべきだと反論。その結果、裁判所は和解としては極めて高額の、職業介護日額2万4,000円、家族介護8,000円を認めた。

②本件の被害者を在宅で介護するには、改造で済むレベルではなく、増築が必要だったが、相手はその費用を認めようとしなかった。そこで我々が詳細な建築計画を元に訴えた結果、裁判所は住宅改造費としては高額の2500万円を認めた。

③相手が優先道路だったため、被害者側の過失割合は結果として50%と判断されたが、過失相殺後に、1億2,900万円という高額な賠償金が残せたことは、大変よい結果だったといえるだろう。また、調整金も10%が付加された。

当事務所のコメント

①本件は相手側が優先道路ということもあり、被害者側の過失が高くなることはやむを得なかった。こうしたケースでは、過失相殺されることを前提に、少しでも満足のいく賠償を獲得できるよう力を入れる必要がある。特に、将来介護料については、被害者の症状の重さを丁寧に立証し、裁判官の理解を得られるよう取り組み、依頼者にもとても感謝された。

②本件は、被害者がかけていた自動車保険から人身傷害保険金として6000万円の支払いを受けたので、過失相殺分の一部に充当することができた。

③以上の結果、自賠責込みの総額2億3,000万円という高額な賠償を得ることができた。