被害者の無過失認定の上、高額介護料獲得|高次脳|交通事故
東京地裁管内 (和解)
■高次脳機能障害(判例065)
■後遺障害等級:2級 確定年:2010年
■東京地裁管内 (和解)
被害者の状況
①54歳・男性(会社員)
② 加害者が運転するクレーン車が資材置き場から出る際、不確認によりクレーン先端部を直進中の原告車に衝突させた
③ 脳挫傷による高次脳機能障害2級、左眼視力障害8級
④ 事故後、被害者は息子夫婦の元に引き取られたものの、高次脳の影響により家庭内で暴言や暴力が目立ち、トラブルが絶えない状態だった。
認められた主な損害費目
将来介護料 |
約6,000万円 |
---|---|
逸失利益 |
約3,100万円 |
休業損害 |
約380万円 |
傷害慰謝料 |
約350万円 |
後遺障害慰謝料 |
約2,800万円 |
その他 |
約1,570万円 |
損害額 |
約1億4,200万円 |
近親者慰謝料 |
400万円 |
調整金※ |
690万円 |
総計 |
約1億5,290万円 |
既払控除(労災) |
-1,340万円 |
既払控除(任意) |
-830万円 |
既払控除(自賠責) |
-3,000万円 |
最終金額 |
約1億120万円 |
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)
詳細
加害者の主張
①被害者にも15%の過失あり。
②高次脳2級の場合、職業介護人は必要なし。
裁判所の判断
①当法律事務所はあくまでも「無過失である」と反論したところ、裁判所は我々の主張を認めた。
②高次脳機能障害2級の将来介護料をいくらにすべきか、という問題について、当事務所は家族から詳細なヒアリングを重ね、日常の介護や被害者への見守りの大変さを陳述書にまとめるなど、職業介護人の必要性を裁判所に認識してもらうために最大限の努力を重ねた。その結果、職業介護1万5000円(240日)、家族介護8000円(125日)と、2級でありながら極めて高額の将来介護料が認められた。
③和解成立は事故から2年半と比較的早かったが、8%という多額の調整金が認められたため、依頼者には弁護士費用の負担も生じることはなかった。
④近親者慰謝料も400万円という高額が認められた。
当事務所のコメント
①高次脳機能障害による暴言や暴力は、同居する家族に大きなダメージを与えるが、なかなか外からは窺い知ることができない。厳しい現実を裁判官に伝えるためには、陳述書などに具体的にまとめて、主張することが重要である。
②本件は、父親を息子夫婦が介護するケースであったが、息子夫婦の努力によって高額賠償となった。