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見逃されていた高次脳機能障害の診断5級獲得|交通事故 弁護士

東京地裁管内 (和解)

■高次脳機能障害(判例051)
■後遺障害等級:5級 確定年:2009年
裁判所認定額 約1億3,500万円
■東京地裁管内 (和解)

裁判所認定額 約1億3,500万円

被害者の状況

①21歳・男性(大学生)
② 被害者が普通乗用車に同乗中、後方から大型貨物車に追突された
③ 脳挫傷による高次脳機能障害 5級
④ 被害者は一方的な追突事故によって175日間の入院生活を余儀なくされ、1年留年。その後、大学を卒業して大手企業に就職できたが、職場では仕事に順応することができなかった。

認められた主な損害費目

逸失利益 約9,300万円
休業損害 約300万円
付添看護費 約100万円
その他 約1,800万円
損害額
約1億1,500万円
調整金※ 約2,000万円
最終金額 約1億3,500万円

※弁護士費用及び遅延損害金相当額

詳細

本件の問題点

①事故後、なんとか職に就いたものの、現場で苦労している息子をみて「もしや事故の後遺症が残っているのでは?」と大変心配された母親が、インターネットで当事務所のサイトから相談してこられた。その時点で退院からすでに3年以上の月日が経過していた。

②それまで治療を受けていた市立病院の脳外科では、てんかんの症状は確認されていたものの、脳外科では高次脳機能障害に対する十分な知見が無く、事故による後遺障害ではないと判断され、脳の詳しい検査は実施されないまま麻痺を軽快させるための身体的なリハビリを受けるだけだった。 裁判所の判断

裁判所の判断

①被害者と面談した当事務所では、本人が高次脳機能障害を負っている可能性が高いことに気付き、早速、懇意にしている高次脳の専門病院を紹介。被害者はこれまでのカルテと写真を持って受診した。

②その結果、正確な後遺障害診断書が作成され、高次脳5級の認定、および障害者手帳を取得することができた。会社にはこれまでの事情をよく説明したところ、退職することなく、障害者雇用に切り替えてもらうことに成功。その上で訴訟を起こし、逸失利益は、大卒平均賃金で5級の労働能力喪失率(79%)を全て認める和解が成立した。

当事務所のコメント

①脳挫傷で175日も入院しながら、高次脳機能障害を視野に入れた検査もなされず、適正な障害認定を受けることができなかった被害者とその家族は3年以上も苦しんでいた。そんな中、母親の努力で当事務所にたどり着き、高次脳に対する豊富な医療知識を得たことが、結果的に大きな賠償の確保につながった。

②訴訟になった場合、健常者として就業したままでは、相手側から必ず逸失利益に関しての反論が出ることを予測していた当事務所は、前もって「障害者雇用の枠で働きやすいポジションに移動しておいたほうがよい」と、アドバイスしていた。結果的に被害者、本人にとっても苦痛の緩和となり、大変喜んでいただけた事案である。

③残念ながら地方の脳外科が十分な高次脳機能障害の知識が無いことから見逃されていた典型事案である。このような場合には、是非当方に相談されたい。