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無責主張の損保を一蹴し高額で和解|高次脳|交通事故 弁護士

前橋地裁管内 (和解)

■高次脳機能障害(判例049)
■後遺障害等級:5級
併合4級 確定年:2009年
裁判所認定額 約1,000万円
■前橋地裁管内 (和解)

裁判所認定額 約1,000万円

被害者の状況

①19歳・男性(会社員)
② 普通乗用車を運転中、信号機のない交差点で普通貨物車と出会い頭衝突 被害者側に一時停止ラインあり(基本過失割合8対2)
③ 脳挫傷による高次脳5級 右眼調節傷害12級 併合4級
④ すでに事故から提訴まで8年という歳月が経過していた本件は、事故状況から見て、自賠責においても重過失減額事案であることは承知していたが、せめて任意保険から自賠責との差額である530万円と同額の交付があれば、遅延損害金を考慮に入れても1,000万円くらいになり、こちらとしては和解に応じてもよいと考えていた。

認められた主な損害費目

逸失利益 約8,760万円
休業損害 約2,240万円
看護料 約480万円
将来介護料 約1,010万円
後遺障害慰謝料 約1,670万円
その他 約440万円
損害額
約1億4,600万円
過失85%控除後損害額 約2,190万円
調整金※ 約60万円
総計
約2,250万円
既払控除 ▲約1,250万円
最終金額 約1,000万円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

加害者側の損保は裁判を起こした段階で、従来の有責に基づいた主張を否定し、突然、相手車両は運転者の所有車ではなく、第三者の車なので許諾性がないので任意保険は使えない。よって「無責」、つまり、加害者側には責任がないという主張を展開してきた。

裁判所の判断

①原告は当初、高次脳7級(併合6級)と認定されていたが、実際の症状はもっと重かったため、訴訟を起こす前に異議申し立てをするようアドバイスし、等級を高次脳5級に上昇させてから訴訟に踏み切った。

②事故当時は無責という主張は一切せずに支払いを行っていたのに、突然「許諾性がない」などといった主張をするのは論外である。そこで、当事務所が法廷外で相手側の損保会社に強く抗議したところ、相手側は非を認めた。

③裁判所は高次脳機能障害5級に対して、日額1,500円の将来介護料を認めた。過失相殺抜きで計算すると、損害額は総額で1億4,600万円になり、併合4級としてはかなりの高額が認められた。

④結果的に総額1,000万円で和解が成立した。

当事務所のコメント

①被害者側の過失割合が大きい事故だから闘うのは無理だとあきらめず、弁護士と協力して闘えば、相手側の理不尽な主張にも対抗でき、それなりの結果が得られることを証明できた事案だといえるだろう。

②本件は、過失が当方85%と大きかったが、5級を確保した結果、総額約2,300万円という、有利な解決を得ることとなった。