6年経過後、専門医の協力で等級認定後に高額賠償|交通事故
東京地裁管内 (和解)
■高次脳機能障害(判例048)
■後遺障害等級:7級 確定年:2009年
裁判所認定額 約6,000万円万円
■東京地裁管内 (和解)
裁判所認定額 約6,000万円万円
被害者の状況
①18歳・女性(大学生)
② 歩道を歩行中、酒気帯びで歩道に乗り上げた車に衝突される
③ 脳挫傷による高次脳機能障害 7級
④ 大学入学直後に、悪質な飲酒事故の被害に遭うという、大変気の毒な事件だった。被害者は脳挫傷を負っていたが、外見的には障害がないように見えたため、医師の明確な判断もなかったことから、両親は「必ず治る」と信じて、あえて自賠責の後遺障害等級認定を受けていなかった。
認められた主な損害費目
逸失利益 | 約4,300万円 |
---|---|
治療関係費 | 約900万円 |
後遺障害慰謝料 | 約1,000万円 |
その他 | 約800万円 |
損害額 |
約7,000万円 |
調整金※ | 約1,300万円 |
総計 |
約8,300万円 |
既払控除(任意保険) | ▲約1,300万円 |
既払控除(自賠責) | ▲約1,000万円 |
最終金額 | 約6,000万円 |
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)
詳細
加害者の主張
逸失利益の算出には、大卒の賃金でなく女子の平均賃金を使うべきである。
裁判所の判断
①本件は主治医に高次脳機能障害の知識が少なかったことから、後遺障害は軽いものと思い込み、診断書の記載は簡易なもので済まされていた。被害者と両親が当事務所に相談に来られたときには、すでに事故から6年という歳月が経過していた。
②当事務所はすぐに高次脳の専門病院を紹介。被害者が詳しい検査を受けた結果、高次脳であることがはっきりした。その上で自賠責に請求し、7級を獲得してから訴訟に踏み切った。
③逸失利益については、我々は大卒女子の平均賃金を使うことを主張。その結果、裁判ではこちらの主張が認められた。また、事故発生から長期間経過していることなどをしっかりと主張したところ、和解ではあったが調整金も1,300万円を認めさせることができた。
当事務所のコメント
①一見正常に見えても、脳損傷の場合は高次脳機能障害を検討すべきである。
②訴訟の前に必ず自賠責に請求し、後遺障害等級の認定を受けておくこと。本件の場合は7級と判断され、結果的に裁判では7級相当の損害がすべて確保された。
③当事務所の豊富な医療知識に基づき、前医の診断にかかわらずすみやかに専門医を紹介し、的確な後遺障害等級を得て、訴訟での立証を尽くし、和解において高額な賠償を得ることができた。
④解決までに8年という歳月を要したが、当事務所に相談いただいてからの2年間の迅速な対応には、十分ご満足いただけたと思っている。