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高次脳機能障害の新基準で上位認定し高額賠償| 交通事故

横浜地裁管内

■高次脳機能障害(判例016)
■後遺障害等級:2級
併合2級 確定年:2005年
■横浜地裁管内

被害者の状況

①64歳・男性
② 信号機のない交差点を歩行中、交差点に進入してきた普通貨物車が衝突。
③ 脳挫傷、外傷性くも膜下血腫などの重傷。もともとの等級は高次脳9級だった。
④ この時期、自賠責に高次脳機能障害の新しい等級基準や認定システムが確立され、異議申し立てを行なった結果、等級が併合1級(高次脳機能障害2級3号、右足の可動域制限11級)に上昇した

認められた主な損害費目

将来介護料 約2,500万円
逸失利益 約2,700万円
慰謝料 約2,500万円
近親者慰謝料 約300万円
休業損害 約700万円
その他 約1,600万円
約1億300万円

過失相殺10%控除後 約9,200万円

詳細

加害者の主張

被害者の後遺障害は実際には軽いもので、悪くても7級。意図的に重くしようとしている可能性もある。

裁判所の判断

①後遺障害について、当事務所は各種検査結果や専門の意見書などを添え、綿密な立証をおこなった。その結果、裁判所は「原告の精神能力は1年以上経過しても明らかに低下しており、原告に特別の既存障害がない以上、それは本件事故による後遺障害と捉えるのが相当である」とし、将来介護料は、被害者原告の平均余命である17年間について日額6,000円×365日が認められた。

②事故さえなければ定年退職後の再雇用等の可能性があったため、逸失利益の基礎収入として、実収入の7割が認められた。

③慰謝料は、後遺障害慰謝料約2,500万円の他、妻に200万円、成人した2人の子に各50万円、合計2,800万円が認められた。

当事務所のコメント

①被害者の後遺障害の重さについて、加害者側から反論が出ることは少なくないが、本件は実際の障害がいかに重いものであるかについて、異議申し立てによって後遺障害等級を引き上げた後に、損害を適切に立証できたケースである。

②被害者側の不当な主張を完全に破ったモデルケースである。