高次脳機能障害3級に高額介護料を認定|交通事故 弁護士
二審東京高裁 一審さいたま地裁(旧浦和地裁)
■高次脳機能障害(判例007)
■後遺障害等級:3級
併合1級 確定年:2002年
裁判所認定額 約2億400万円
■二審東京高裁 一審さいたま地裁(旧浦和地裁)
裁判所認定額 約2億400万円
被害者の状況
①39歳・男性
② 前を走行していた車がセンターラインをオーバーし、対向車と衝突。その衝撃で、衝突された対向車が被害者の車に衝突。被害者にとっては不可抗力の事故だった。
③ くも膜下出血等による脳外傷(3級)、脾臓摘出(8級)、右下腿切断(5級)。併合1級。
認められた主な損害費目
逸失利益 | 約7,100万円 |
---|---|
介護料 | 約6,500万円 |
慰謝料 | 約3,300万円 |
休業損害 | 約1,400万円 |
その他 | 約2,100万円 |
計 | 約2億400万円 |
詳細
加害者の主張
高次脳機能障害3級なので付添介護の必要なし。
裁判所の判断
①自賠責では通常、1~2級の脳障害についてのみ将来介護料を認めるが、この被害者の場合、客観的に見ても極めて2級に近い脳障害だった。そこで当事務所は家族に「陳述書」を作成してもらうほか、専門医から「脳障害は2級レベルである」という適切な評価を得た後、「意見書」を提出して、常時介護の必要性を立証した。
②その結果、裁判官は年間240日を職業介護(日額1万2,000円)、残りの125日を家族介護(日額6,000円)とし、3級では異例の高額将来介護料を認めた。
当事務所のコメント
①高次脳3級だからといって、「常時介護の必要なし」「将来介護料は請求できない」と安易に考えるのは禁物である。しっかりとした意見をもらえる専門の医師を探し、被害者の実際に症状の重さと家族の介護の大変さを丁寧に立証すべきである。
②地裁では、当方のセンターオーバーを認定し、賠償金「0」であったが、高裁で大逆転したケースである。
③総額2億400万円という高次脳機能障害3級(併合1級)では極めて高額な賠償となった。