脊髄損傷18歳女性に高額な在宅介護料や職業介護料|交通事故
水戸地裁管内 和解
■重い脊髄損傷(判例015)
■後遺障害等級:1級 確定年:2011年
■水戸地裁管内 和解
被害者の状況
①18歳・女性(高校生)
第5頸髄損傷による四肢麻痺 1級
② 乗用車に同乗中、被告(運転者)が運転捜査を誤り民家の塀に激突。
認められた主な損害費目
損害額(単位:万円) |
|
---|---|
将来介護料 |
約1億2,600万円 |
逸失利益 |
約6,300万円 |
住宅改造費 |
約1,400万円 |
介護機器諸費用 |
約1,900万円 |
将来雑費 |
約1,000万円 |
本人慰謝料 |
約3,100万円 |
近親者慰謝料 |
約600万円 |
その他 |
約1,500万円 |
損害額 |
約2億8,400万円 |
既払控除(任意) |
-約1,200万円 |
既払控除(自賠責) |
-約4,000万円 |
※調整金 |
約2,500万円 |
最終金額 |
約2億5,700万円 |
※弁護士費用及び遅延損害金相当額
詳細
加害者の主張
被害者の症状が極めて重いにも拘らず、「介護日額はせいぜい8000円から1万円程度」「介護にかかる雑費は逸失利益でまかなうか生活費控除をすべき」「介護備品の買い替え期間が短すぎる」など、終始厳しい主張を繰り返した。
裁判所の判断
①当事務所は「原状回復による被害者救済」を軸に、娘を介護する母親がいずれ就労すること、休日である土日には母親にも介護から離れて休息するための、いわゆる「レスパイト(安息・休暇)」の必要性があることを主張。
②各費目に対する被告側の主張に対して、ひとつひとつ緻密に立証・反論した。
③その結果裁判所は当方の主張をほぼ認め、約2億5,700万円(自賠責を含め総額2億9700万円)という高額で和解が成立した。
当事務所のコメント
①被告側は自宅介護を否定。そのため、当方も将来における母親の就労の可能性やその必要性の立証には大変苦労しましたが、在宅介護にかける家族の強い信念と、それをくみ取った上での各損害費目の緻密な立証が受け入れられた結果、将来介護料は1億2,600万円という高額になった。
②結果的に、自賠責から支払われた4,000万円と合わせて3億円弱という、原告側の請求額をほぼ認めた和解となった。
③当法律事務所が関わった脊髄損傷事案の中でも極めて高額な賠償額で、依頼者には大変喜んでいただける結果となった。