高齢者のデイサービス実費を認定 | 脊髄損傷|交通事故
東京地裁 (和解)
■重い脊髄損傷(判例013)
■後遺障害等級:1級 確定年:2010年
■東京地裁 (和解)
被害者の状況
①70歳・男性(自営業)
脊髄損傷 1級
② 交差点で交通指導をしていた被害者に、衝突事故の弾みで歩道に乗り上げた車が衝突。被害者には全く過失のないもらい事故。
③ 被害者は胸から下が麻痺し、車椅子生活を余儀なくされた。
認められた主な損害費目
将来介護料 |
約3,700万円 |
---|---|
逸失利益 |
約700万円 |
住宅改造費 |
約600万円 |
介護器具諸費 |
約500万円 |
傷害慰謝料 |
約300万円 |
後遺障害慰謝料 |
約2,800万円 |
近親者慰謝料 |
約600万円 |
その他 |
約1,200万円 |
損害額 |
約1億400万円 |
調整金※ |
約900万円 |
総計 |
約1億1,300万円 |
既払控除(任意) |
-約1,200万円 |
最終金額 |
約1億100万円 |
詳細
加害者の主張
・介護費用について加害者側の損保会社は公的補助やナスバの介護料を考慮し、「日額1万円のデイサービスを使ってはいるが、介護料はあくまでも実費の1000円で計算すべきだ」と主張。
裁判所の判断
①本件は公的給付を受けている場合の問題である。たしかに、介護保険を使っている場合、実際に被害者が負担しているのは1000円のみだった。しかし当事務所は「国の財政事情が不安定で、将来にわたって現在の公的給付が受けられるかどうか不明なので、日額1万円で計算すべきだ」と反論。その結果、裁判所は将来介護料として、こちらの主張通り、日額1万円(職業介護人)のデイサービス費用を全額認めた。
②その他、車椅子用の住宅改造費600万円をはじめ、こちらが請求した介護用品代等もほぼすべて認められた。
当事務所のコメント
①事故の過失割合は明らかに100対0で、その点について争いはなかった。
②住宅改造費や介護用品については現実の必要性をこまかく立証し、無駄のない正確な見積書を出して議論し、ほぼ満足の結果となった。
③介護料も当方主張通りとなった。その結果、71歳という高齢でありながら、総額で1億100万円という高額な和解を勝ち取ることができ、被害者とご家族には大変ご満足いただくことができた。