バリアフリー住宅の改造費分を獲得|脊髄損傷|交通事故
熊本地裁管内 (判決)
■重い脊髄損傷(判例010)
■後遺障害等級:3級 確定年:2009年
裁判所認定額 約1億1,900万円
■熊本地裁管内 (判決)
裁判所認定額 約1億1,900万円
被害者の状況
①23歳・女性(会社員)
② 乗用車の後部座席に同乗中、センターラインオーバーの対向車に衝突され、車が電柱に衝突し受傷。6,7頚椎骨折により中心性脊髄損傷 3級
③ 被害者家族は「リハビリ病院の主治医が、障害の度合いを実際より軽く評価しているのではないか?」という不安を強く感じ、医療分野にも詳しい当事務所に相談に来られた。
認められた主な損害費目
逸失利益 | 約6,100万円 |
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将来介護料 | 約2,000万円 |
家屋改造費等 | 約160万円 |
後遺障害慰謝料 | 約2,000万円 |
その他 | 約840万円 |
損害額
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約1億1,100万円 |
弁護士費用
|
約800万円 |
遅延損害金(4年3ヶ月相当) | 約2,200万円 |
総計
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約1億4,100万円 |
既払控除 (自賠責3級相当分) |
▲約2,200万円 |
最終金額 | 約1億1,900万円 |
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詳細
加害者の主張
・相手側は、リハビリ医のカルテを見たり、被害者の日常生活をビデオで隠し撮りするなどして、「実際には8級相当の軽い障害なので、介護料や家屋改造費は不要だ」と反論。
裁判所の判断
①依頼を受けた我々は、自賠責に診断書を提出する前に、救急病院での診断内容を取り寄せて検討し、被害者の状況を十分把握した上で、中心性脊髄損傷であることを確信。主治医にそのことをしっかり認識させて、後遺障害診断書に記してもらった。その結果、自賠責で3級を取得し、その上で訴訟に踏み切った。
②まずリハビリ医と面談し、カルテの記載はあくまでもバリアフリー化された病院内で過ごすことを前提の内容であって、一般住宅である自宅に帰った場合は、後遺障害が日常生活に支障をきたすことを立証。その結果、裁判所は日額3,000円の介護料と、被害者が日常生活を送るための1階部分のプレハブ増築費用などを認めた。
当事務所のコメント
①当初の救急医は中心性脊髄損傷を理解していたが、転医先のリハビリ医はその認識が無かったため、まず医療上の問題を十分説明し、それを理解してもらって3級の等級を得ることができた。
②リハビリ病院はについては、病院はバリアフリー化されているため、実際には重い障害が目立ちにくく、医師によっては障害の度合いを軽く評価しがちであった。脊髄損傷の患者の場合、病院と家とでは、まったく環境が異なることを十分認識し、その上で、このことを医師に十分認識させ意見書を入手した結果、良い成果を得た。
③またこの点に関し、自宅を病院と同じようにバリアフリーにするための費用をしっかり積算して請求することが必要である。
④自賠責請求の段階から当事務所が関与し、医療知識を駆使して細かく立証したことによって、適正な等級を獲得することができた。