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医療過誤も共存した事案で全額賠償|脊髄損傷|交通事故

那覇地裁管内 (和解)

■重い脊髄損傷(判例009)
■後遺障害等級:2級1号 確定年:2008年
裁判所認定額 約1億3,000万円
■那覇地裁管内 (和解)

裁判所認定額 約1億3,000万円

被害者の状況

①57歳・女性(主婦)
② 普通乗用車で信号待ちの途中、加害車両が追突。当初は腰椎椎間板ヘルニアと診断されたが、手術を行った病院の医療過誤により、膀胱直腸障害(自己導尿、人工肛門)、脊髄不全麻痺、2級1号

認められた主な損害費目

将来介護料 約5,300万円
逸失利益 約3,500万円
住宅改造費 約1,000万円
介護雑費 約500万円
介護器具費 約400万円
後遺障害慰謝料
約2,300万円
その他
約1,900万円
損害額
約1億4,900万円
調整金※
約1,100万円
総計
約1億6,000万円
自賠責控除
▲約3,000万円
最終金額 約1億3,000万円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

・相手側の損保会社は、「軽い追突事故なのに、それほど重篤な障害を負うはずがない」 つまり「現在の障害は事故によるものではなく、手術をした病院の医療過誤によるものだ」という反論を展開。

・介護料については「請求額の半分で十分だ」と主張。

裁判所の判断

①被害者は当初、3級の認定を受けていたが、実際にはそれ以上に重い障害に苦しんでいた。当事務所は病院で再度詳細な診断をしていただき、新たな後遺症診断書を取得。その上で、自賠責に異議申し立てを行い、後遺障害等級を3級から2級に引き上げた後、提訴した。

②治療により症状が重くなった点については、医療過誤の可能性も十分に考えられたが、同様の事案における最高裁判例を引用して法律論をしっかり展開し、たとえそれが事実だとしても、賠償に関しては交通事故との共同不法行為であり、賠償はまず交通事故で償うべきである。両方の関係は、事故の加害者と病院の関係の中で収束させるべきだと主張したところ、裁判所はそれを認めた。

③当事務所は原告の障害等級が2級1号より、むしろ1級に近いため、職業介護との併用が必要だと強く主張。結果的に、脊髄損傷2級としては高額の、職業介護日額1万円、近親者7,000円が全額認められた。

当事務所のコメント

①当事務所の医療知識に基づき、自賠責の後遺障害等級を提訴前に3級から2級に上昇させたことで、賠償額が3千万円アップした。

②職業介護との併用の必要性や介護料については、仕事を辞めて在宅介護をしていた被害者の夫に詳しい陳述書を書いてもらうなど、丁寧な立証をおこなった。その結果、2級の57歳主婦としては、極めて高額な賠償額につながった。

③交通事故と医療ミスの関係につき、明確な主張を行い、交通事故に一本化して裁判を早期に終わらせることができた。