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被害者が糖尿病、受傷後死亡の因果関係を立証|死亡|交通事故

東京地裁管内

■死亡事案(判例011)
■後遺障害等級:  確定年:2010年
■東京地裁管内

被害者の状況

①38歳・男性(公務員)
② バイクで青信号を直進中、左方から信号無視の被告車両が衝突。大腿骨複雑骨折、腰部骨折等の重傷を負い事故後3日目に手術を受けるも、直後に高カリウム血しょうによる心停止で、4日目に死亡。
③ 被害者は重度の糖尿病という持病を持っていため、事故の受傷と死亡との因果関係が大きな問題になった。

認められた主な損害費目

逸失利益

約5,700万円

慰謝料

約2,300万円

近親者慰謝料

約500万円

その他

約600万円

損害額

約9,100万円

素因10%減額後損害額

約8,200万円

既払控除

-約3,100万円

約5,100万円

詳細

加害者の主張

①素因減額

「糖尿病のためにグリコールインスリンが効かなかった。その結果出血が止まらず死に至った」として、30%の訴因減額が相当だと主張。

裁判所の判断

①訴因減額

事故による死亡と持病との因果関係が問題となった特殊な事案だったが、当事務所の医療知識と医療ネットワークを生かして緻密な立証を行い、「事故の受傷そのものが重く、それが死亡につながった」という反論を展開したところ、裁判所は「糖尿病との絶対に関係がないともいえない」としながらも、相手側の主張を認めず、10%の訴因減額での和解を提案してきた。結果、被告側の主張を覆し、訴因減額を20%減らした10%で解決した。

当事務所のコメント

①妹の慰謝料

この裁判では、すでに家庭を持っていた妹が、事故後に体調を崩した母親を看病しながら原告として名を連ね、訴訟に携わっていた。本来なら、戸籍を離れた兄弟姉妹に慰謝料は支払われないが、我々が妹の置かれた特殊な状況について裁判所に訴えた結果、母親に対する慰謝料300万円のほかに、妹に対しても200万円の慰謝料が特別に認められた。

②賠償額

賠償額は、10%の訴因減額後も8,200万円と高額になった。