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死人に口なし目撃証言を徹底調査と尋問で逆転|死亡|交通事故

東京地裁管内 (判決)

■死亡事案(判例006)
■後遺障害等級:  確定年:2009年
裁判所認定額 約2,530万円
■東京地裁管内 (判決)

裁判所認定額 約2,530万円

被害者の状況

①55歳・女性(主婦)
② 加害者だけでなく、加害車両に同乗していた目撃者も「被害者の赤信号無視」と証言したため、遺族側は大変不利な状況に追い込まれていた。

認められた主な損害費目

逸失利益 約2,600万円
死亡慰謝料 約2,200万円
近親者慰謝料 約400万円
葬儀費用 約150万円
その他 約70万円
損害額
5,420万円
弁護士費用 約200万円
遅延損害金(2年8ヶ月相当) 約290万円
総計
約5,910万円
既払控除 ▲約3,380万円
最終金額 約2,530万円

詳細

加害者の主張

①過失

「信号無視をしたのは被害者側なので、賠償額は自賠責の範囲内で収まる」と主張。

裁判所の判断

①過失

・遺族は、被害者の性格や生前の行動パターンから、「信号無視をすることなど絶対にありえない」という強いこだわりと確信を持って当事務所に相談に来られた。早速、事情を聴いたところ、被害者は事故当日、近所にある長女宅から自宅に帰る途中で、帰宅する際はいつも交通量の多い本件道路を怖がり、遠回りをして押しボタン式の歩行者用信号機のある横断歩道を利用していたことが判明(信号無視をするくらいなら遠回りをして横断歩道まで行く必要はない)。

・加害者は32歳の男性、同乗者は16歳の女子高生だったが、当事務所が当日の二人の行動を調べたところ、女子高生は警察に事故状況をまったく話すことなく帰宅していたことや、事故前に空白の数時間があったことなどが判明。そうした矛盾点を証人尋問で徹底的に追及した結果、裁判官は「目撃者の証言は信用できない」とし、車の赤信号無視、つまり100%過失を認定。結果的に相手側は控訴せず確定。

②まとめ

証人尋問の結果、同乗の女子高生の証言が全く信用できないことを立証して過失を大逆転した。

当事務所のコメント

①過失

死亡事故の場合、事故時の信号の色の立証はとても困難である。それでもあきらめようとしなかった遺族の思いを汲みとり、当事務所は徹底的な調査による立証活動と法廷での反対尋問によって、目撃者の虚偽証言を完全に突き崩すことに成功。依頼者にも大変喜んでいただいた好事例である。

②損害

合計約6,000万円という55歳の主婦としては高額な結果となった。